法の解釈とは何か、を一貫して追求してきた著者の「法の解釈における制定法の意義」以降の八編のフィクション論をまとめる。

真宗教団の発展の過程において異端が発生する理由をさぐり、その系譜を明らかにするとともに、中世から近世への社会的基盤を解明する。

聖書の時代から近現代に至るまで、離散と迫害のユダヤ民族史を支え続けたものは何か、ミシュナ、タルムードを中心に、その精神構造と思惟方法を探究する。

地殻に歪みエネルギーが蓄積した状態から、どう震源の核が形成され最終的に動的不安定破壊（地震）に至るのかを焦点に、地震の全体像を描き出す。

言語行為という概念を軸として、認識と行為の統一的な把握をめざす野心作。

白樺派、英米文学・宗教哲学、日本文化の個性の追求と朝鮮・沖縄・アイヌ・台湾先住民の文化への注目-- 柳の生きた時代と思想を浮き彫りにする。

商業の時代に「貴族の徳」の復権を試みた初期啓蒙の思想家たち。モンテスキューを軸に、その営みを描く。渋沢・クローデル賞受賞。

荘園の農民、京都の住人、そして水辺の領主たち。武士発生の根源をつき、王朝国家の形成をあとづける。

明治国家は宗教をどのように位置づけてきたのか。そして、20世紀に入り宗教がどのように語られてきたのかを言説の次元で分析する。

経済復興をめぐる政党政治の展開過程を、対外関係、労使関係、知識人の三つの視点を交えながら、社会党を軸に分析する。

国家間の複雑な利害を調整するための「外交」が、どのような仕組み、プロセスで行われるかを分析する。吉田茂賞を受賞した外交研究の基礎文献。

神々との関わりで中世という時代を生きた日本人の観念の世界に分け入り、古代と中世の関係の仕組みと中世文化形成の様とを見据える。