流行最先端のものがあふれる青山・渋谷・表参道には、江戸期から昭和戦前までの様々な痕跡も見出すことができる。新国立競技場の場所には幕府の火薬庫があり、渋谷には水車小屋が点在し、表参道では陸軍兵士が行進した...

「俵藤太のむかで退治」で有名な藤原秀郷。平将門追討の立役者だった彼の姿は、後世に作られた英雄伝説によって、いかにして語り継がれてきたのか。 将門の乱を中心に秀郷の足跡を辿り、西行・平泉藤原氏へと続く子...

古来、国家鎮護・安泰のための神祇祭祀と仏教法会が、天皇自身や社寺によって執り行われてきた。 祈年祭や新嘗（にいなめ）祭などの恒例祭祀、出雲国造神賀詞奏上儀礼などの臨時祭祀、大極殿御斎会（ごさいえ）や薬...

源義経らの活躍で源氏が勝利し、鎌倉幕府の成立史として語られる源平合戦を、敗れた平氏の視点から描くと何が見えてくるのか。『平家物語』を中心に、富士川から壇ノ浦にいたる経過を、在地勢力の動向とそれら集団のも...

近年の考古学の発展を受けて、日本の古代史像が大きく変化してきている。 縄文・弥生・古墳の各時代のはじまりをどうとらえるか、多様性をもった縄文文化の実態、格差や戦いが生まれた弥生時代、王宮の変遷からみえ...

天正12（1584）年、北関東の領主連合軍と北条氏が下野国南部沼尻で激突。北条氏の関東覇権が成就するかに見えたが、時代は戦乱でなく天下統一に遷っていた。合戦の詳細と、秀吉・家康の行動から時代を読み解く。...

幕末から1935（昭和10）年までに日本が保有した600以上の軍艦を一堂に掲載した写真集を復刻。寸法・装備などの要目、艦種、艦名の由来、艦歴など、詳細な解説データを各艦の写真とともに記載する。 また、...

徳川吉宗が創設し、幕府の隠密として知られる御庭番。将軍直属の情報収集機関で、老中以下の行政機構に対抗し、幕政の主導権を握る際の重要な手段として機能した。俗説を廃し確実な史料から活動の実態を解き明かす。 ...

1940年開催予定であった幻の東京オリンピックから、1964年をへて2020年へ。 いかに開催地として選定され、人々に受容されてきたのか。戦時に返上した挫折をへて、戦後の開催へ招致活動した在米日系...

近代日本による朝鮮侵略のなか、移植された日本式の公娼制は、植民地社会にいかなる影響を与えたのか。居留地遊廓から植民地遊廓へと再編・普及した過程と実態を、軍との関係に注目し、南部（京城・馬山・鎮海）と北部...

第二次大戦後、連合国が日本の戦争責任を追及した「東京裁判」。膨大な被害を生んだ日本の戦争を、法廷はどのように裁いたのか。 帝国主義・植民地主義・レイシズム（人種差別）といった発想と裁判審理との関わり、...

印刷技術が未発達で出版業が存在しない中世社会において、人は書物をどのように入手していたのか。宗祇ら連歌師による流通への関与、伏見宮家から足利将軍への『風雅集』『玉葉集』贈与など、限られた者のみがアクセス...

江戸時代、大名家は世襲で受け継がれるが、後継者がいないとその家は取りつぶされる。突然の事態に関係者はどのように対処したのか。幕府の公的な記録に表れない不自然な事例から、存続をかけた大名家の苦労を探る。 ...

19世紀後半の日本で何が起こったのか？　列強の動き、対外戦略、国内政争、思想対立や世界観相克、海防僧・漢詩人の月性が体現した知識人の交友と政治へのコミットメント…。幕末維新史の諸相を、第一線で活躍する7...

建築物は歴史を語る証人である。国家プロジェクトとして建設された東大寺大仏殿・平等院鳳凰堂・安土城・鹿鳴館…。これらの有名建築をはじめ、縄文の原始住居から明治の西洋建築まで、各時代の建物から日本の歴史を紐...

日本人の姓は天皇から与えられた。同姓集団が拡大するなかで、地名や官職名などから名字が生まれた。実名（諱）は憚られ、役職・兄弟順などで呼ばれた。苗字・名前のルーツと多様な展開をわかりやすく軽妙に叙述する。...

ひとは故郷を想い、そして故郷によって傷つけられる。19世紀後半、故郷をあとにした青年たちの都市体験からつむぎ出される、記憶と空間の文化史。

宗教都市論を基軸に中世都市へのアプローチを試み、近世都市のあり方や都市の現代的な問題、建築と都市の関係を論及する。

幕末の豪農は、多くの政治情報や重要な機密情報まで入手していた。広範な情報伝達の構造を解明し、幕末社会に与えた影響を考察する。

中国地方など11ヵ国に君臨したとも言われる戦国大名尼子氏。残された史料を丹念に収集し、初めてその実像を描き出す。