重商主義、重農主義、古典学派の成立を経てマルクス経済学の完成にいたるまでの経済学史を、平易な講義口調で専門家の手から万人にもたらした名著。

法の解釈とは何か、を一貫して追求してきた著者の「法の解釈における制定法の意義」以降の八編のフィクション論をまとめる。

自由の美名の下で、大国政治と巨大資本が文化の多様性を封殺している。不自由な自由を耐え、民主主義を再生させるオルタナティブ。

400年にわたり強大な勢力を形成し、画壇での枢要な位置を占めてきた狩野派。その発端・成立・大成・終焉の史的流れから描く独創的な狩野派史論。

バリ島演劇に触発されたアルトーが、ヴァーチュアル・リアリティ論の先駆け「錬金術的演劇」を語り、五感を揺るがす「残酷演劇」を宣言する。

一般史学および哲学との関連から音楽史を問い直し、音楽史学の、さらに広く音楽学の根本的な諸問題をきわめて鋭く剔出した「音楽史の理論」書。

荒廃した生の極限で、存在することの痛みと、没落からの救済をうたった、ドイツ表現主義最大の詩人ゲオルグ・トラークルの全作品を一巻に結集。

「集団の夢」の偉大なる蒐集家ヴァルター・ベンヤミン。その特異な大著『パサージュ論』の思考の核心を解き放つ画期的な読解。

古代律令国家の貴重な遺産である六国史。各書の成立事情や特質、中国正史との比較により日本の歴史思想の特色を浮彫りにする。重宝無比の入門書。

日中戦争史研究上「和平工作」問題は重要課題である。日本の対華工作に中国側は如何なる意図で対応したのか、双方の史料を駆使して明らかにする。

“普通の人々”が国家のために殺し殺される徴兵制。「軍隊教育」と「軍事救護」を分析し、「戦争自体をも正当化する論理」の構造を解き明かす。

風葬・遺棄から仏教的葬儀・共同墓地へ。中世の葬墓制はいかなる変遷を遂げたのか。触穢・屋敷墓など葬墓制の諸相から実態を究明。

ハプスブルク帝国が諸「大国」との協調路線から軍事力依存の外交政策に転じ、第一次世界大戦の勃発にいたる過程を外交文書・未公刊一次資料にもとづき詳細に描く。

＜お雇い＞英国人の日本での活躍、渡英留学生たちの彼の地での見聞と生活を掘り起し、両国間の〈異花受精〉の具体相から、国際理解と文化伝播のありようを考察。

イタリアルネサンスから20世紀まで、輝かしい女性文化を花咲かせ時代の偉大な精神・知性を引きつけたサロンをヨーロッパ的規模で描き、失われた楽園を再現する。

ウルフソン文芸賞受賞／第29回日本翻訳出版文化賞受賞。民衆のくらしに根ざした魔術や占星術、呪いや予言の役割、キリスト教による魔術の取り込み・対立の背景を解明する。

戦後の科学的歴史学を理論的にリードし、学問の民衆的地盤と思想的骨格を問い続けた著者の、古代史と現代史、文学と歴史、歴史学の課題と方法等をめぐる59篇。

ローマ最大の弁論家・政治家・哲学者キケロ。カエサルやアントニウスとの不和、歴史的な名言、演説、手紙を織り込みながらその激動の生涯を生き生きと描く。

社交界、エチケット、狐狩り、服装、セックス、救貧院など、19世紀イギリスの風俗と習慣を描いた百科全書。ようこそ19世紀の英国へ。