復刊投票コメント一覧(人気順)
投票コメント
全136件
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10年ほど前、復刊のお陰で本屋でこの本の存在を知り、読むことが出来ました。GOOD!4
今、また絶版になっており手に入らない状況です。
このような名著が図書館でしか読めないのはおかしい。ずっと絶版にならずに本屋にあって欲しい作品です。 (2018/12/02) -
ソルジェニーツィンの名を聞くと、私が卒業した年に定年を迎えた高校の世界史教師の顔を思い出します。教科書にソルジェニーツィンが出てきたとき、基本無気力なその教師が妙に熱っぽく「大学に入ったらソルジェニーツィンを読んでな」と言っていたことが印象に残っていた私は大学に入ってすぐの頃に新潮文庫で「イワン・デニーソヴィチ」を読んだのですが少々物足りなく思いました。なるほどラーゲルの過酷を極める労働環境が即物的な描写によってそれだけ一層生々しく描き出されたこの小品は黒いユーモアに満ちていて私のようなニワカ読者を戦慄させるには十分なものでしたがやはり中篇ということもあって、また当時のソ連の検閲に配慮したこともあってかやや穏当な作品になっていることは否めないと思います。GOOD!3
それ以来ソルジェニーツィンにはすっかりご無沙汰していたのですがとある作家の講義で熱くこの収容所群島の魅力を語っているのを聞き遅まきながらようやくあの高校教師がこの作家に惚れ込んだというのはどうもこの作品のおかげらしいと思い当たりました。
それから古書店で探してみたりはしたんですがどうも端本ばかりで揃いでは見つかりません。 (2020/02/19) -
政府を批判しただけでたちまち逮捕し、収容所送りにするという自由を圧殺したソビエト共産主義体制(社会主義と表記する人がいるが、共産主義とは似て非なるものである)が崩壊してすでに四半世紀が過ぎた。単なる体制告発の書にとどまるのであれば、この時の流れのなかで本書はすでに忘れ去られていたはずである。しかし、いまだ復刊要望の声が衰えようとはしていない。文学作品が時代の荒波に揉まれつつも古典としてその命脈を保ち続けているのは、いつの時代においても変わることのない人間の真実を捉えているという証左である。自らに振りかかった苦難をユーモアで笑い飛ばすこの作家の強靭な精神のありようをこそ見るべきであろう。『収容所群島』はアレクサンドル・ソルジェニーツィンがロシアの再生を、そして人間の再生を願ってやまなかった希望の書である。日本語版の再生を願わずにはいられない。 (2016/03/15)GOOD!2
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ロシアとウクライナの歴史を知る上で必読のこの本が何故長らく絶版状態なのか。今こそこの本を再版すれば売り上げが上がるはずなのに何故新潮社は再版しないのか理解に苦しむ。古書店でも出回らなくなったことも併せて考えると、恐らくこの本を今世に広めたくない勢力が新潮社に圧力をかけて再版を止めさせたり古書を買い占めて世に出回るのを妨害しているのではないだろうかと勘繰りたくなる。つまりウクライナの背後にいる勢力にとってこの本には都合が悪いことが書かれているのだろう。プーチンはソルジェニーツィンを尊敬し、ソルジェニーツィンはプーチンにロシアの再建を託した。真のロシア、真のウクライナを日本の若い読者が知るためにも今こそこの本の再版を新潮社には決断して頂きたい。 (2022/12/31)GOOD!1
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ロシアによるウクライナ侵略が現実に行われている今(2022年3月)、かつて彼の国で行われた人権弾圧の実態はまさしく当時ウクライナ国民がソ連の支配下に行なわれた現実です。そしてまた、ウクライナが再びロシアに占領された時、あるいは今現在ウイグル、チベット、南モンゴルや香港で、あるいは遠くない将来台湾で、そして沖縄や北海道を含む日本で行われない保証はありません。今こそ日本人が読むべき書籍の第一番目に位置付けられるものでしょう。可及的速やかな復刊を希望します。 (2022/03/05)GOOD!1
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どうせなら以前出た版みたいに男性の姓が性転換するような誤植が目につく新組みにするより最終版で訳し直してほしい。またネフスキーのような日本女性を妻とした日本学者でもある人やシチェルバツキーのような邦訳がある仏教学者といった人についてなど人名紹介は細かくつけてほしい。GOOD!1
本としての価値は言うまでもないが、アプルボームの「グラーグ」のように未だにボリシェヴィキの強制収容所の歴史を書くと彼女を「右派」だと見なす向きがいるには呆れた。 (2021/06/17) -
本書は、ソ連の社会主義もとで圧せられてきた文学の不毛を絶った、一級の作品であり、当時のソ連を記録した生々しくも貴重なる記録である。今は亡き俊英の歴史学者坂本多加雄氏は、本書を、「日本が治安維持法以来戦った相手が何であったか、すなわち、それなくして二十世紀の意味が分らないソ連の本質を理解する上で不可欠」と評して推薦しておられた。GOOD!1
是非復刊を願います。 (2005/07/25) -
われわれが生きてきた20世紀とはどのような時代であったのかを考える上での、必読書である。若い人にも広く勧めたいが、品切れのままになっているため入手が困難であり、図書館で借用するほかないのではゼミの教材にも使いにくい。GOOD!1
個人的には、この著者本人や本書に描かれた数千万人の人々の運命に想いを馳せることが、生きる上での糧となっている。 (2005/06/15) -
ソビエト連邦とはなんだったのか?そしてその内部の人たちがどう生きていたか?作者であるソルジェニーツィンの辿った運命と一緒に是非考えて生きたい作品。これが絶版になっているのはおかしいです20世紀を代表するソビエト文学の大傑作。 (2005/02/25)GOOD!1
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実は今図書館から借りて読んでます。GOOD!1
特定の登場人物(あえて言えば作者がそうですが)がいないのに、ぐんぐん読めてしまう本です。読みにくいという先入観を持たれたから絶版になったのでしょうか?
絶版はもったいないです。 (2004/12/27) -
以前は幾らか文庫化されていたと思いますが、今はほとんどが絶版状態です。ソルジェニーツィンはドストエフスキーやトルストイらと並ぶ、ロシアの文豪のひとりであり、その中でも最も重要な作品だといえるこの小説が、再び出版されるべきことを願ってやみません。 (2004/11/24)GOOD!1
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中学生の夏休みに親の書斎にあったこの本に出会い、収容所といGOOD!1
うものが存在する世界の現実に目を開かれました。是非、今の政
治に無関心な十代の人に読んで欲しい。収容所のない日常がいか
に恵まれたものか知って欲しいと思います。 (2004/07/12) -
戦争や弾劾、差別や貧困を知らない私たちの世代には特に必要な本の一つであGOOD!1
ると思う。僅かでもこのような書物から当時の凄惨さを垣間見たい、そう考え
ることすら浅はかかもしれないが、それでも読む事が必要であると思う。絶版
という形でそれが叶わないというのは悲しい。 (2004/02/25) -
ソビエト・ロシアの歴史を知る上での基礎資料とも言っていい名著。GOOD!1
イワン・デニソヴィッチの1日によるノーベル文学賞受賞は多分に政治的なものだが、本来ならソルジェニーツィンのライフワークとも言えるこの名著にこそノーベル文学賞が相応しい!
堅い読み物と思われるかもしれないが、第5巻の「白い子猫」など、脱走に関する章などは、冒険小説として読んでも無類に面白い!
また今では紛争地として有名になったチェチェン人との流刑地での交流の話などは、チェチェン紛争を理解する上でも貴重。
さらに第2次大戦のロシア戦線に関する記述も多く、独ソ戦ファンも必読ではないだろうか。 (2003/12/04) -
一部分だけ読んだが、あれだけ膨大な記録を葬り去っておくのはあまりにももったいないと思う。古本屋で探しているが、全巻は見つからない。なんとしてでも手に入れたいと思う。全巻1万円くらいの出費なら安いとさえ思う。 (2002/08/09)GOOD!1
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はっきり言ってこれが現代ロシア文学だといわれるのはおこがましい気がするのだが、なぜおこがましいのかは読んでいただかないとわかるまい。最近の新潮は読むに値せぬろくな文庫を出していないのでたまにはこういう「お堅い」ものも出さないと。最後の印刷は1989年9月。ソ連での解禁にあわせての増刷と思われる。『煉獄のなかで』上下巻も同年12月に「復活」している。ちなみに『イヴァン・デニーソヴィチの一日』は岩波文庫版の染谷茂訳がすばらしい。木村の訳はどれをとっても語学馬鹿で下手で読む気が失せるのだが、不幸なことにこの人の訳はまだ印刷され続けている。 (2002/07/09)GOOD!1
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文庫本の1、3、4巻だけ持っています。それらを、もう何回読み返したことでしょうか。やはり借りて読むのではなく、いつまでも手元に置いておきたい一作ですね。時代が変わって、本書の政治的位置はずいぶん変わりましたが、文学的なパワーは不変だと思います。作者の、怒りをあらわにした文体と、冷静な洞察とが、奇跡的なバランスを取っている稀有な作品だと思います。GOOD!1
もし宜しかったら、掲示板もご覧下さい。 (2001/08/19) -
人という生き物は、理想をどう咀嚼し、現実化していくのか。GOOD!1
政治体制について思いを馳せる時、それは欠くべからざるテーマだろう。
常に進歩への試みを続けるのが人間としての義務ならば、過去に行われた共産主義思想という実験の結果について、より多く知っておきたく思う。 (2001/07/14) -
廃刊になっていたとは、知りませんでした。GOOD!1
若い頃に、あの細かい字でびっしりと書かれた詳細で膨大な注の隅々
まで夢中で読んだのも、本書がノンフィクションゆえの迫力だからでしょうか。
今も、古びたその全集を大事に持っているので、復刊されても、『購入する』とはお約束できないのですが、それでも尚、ぜひ復刊を希望します。
本と人というものは、他のメディアと異なって、なにか『縁』というものが介在して巡り合うような気がします。
こんな時代だからこそ、ただ消費され、泡沫に消えていく書物とは、異なる書物と巡り合う可能性を書店の本棚にひそませたい、と願うのは
ロマンチストに過ぎるのでしょうか。 (2001/07/12) -
古典的な名作であり、GOOD!1
彼がここで描いた、人間の一面は、
今も決して消えてなくなったわけではない。
こうした書を時代へ伝えることこそ、出版社の本来果たすべき使命であると思う。
しかし、現状においては貴社のような、一流の出版社にしか期待できない。
新潮文庫の一として復刊するならば、けしてリスクの大きい投資ではないと思う。
ドストエフスキーなどと同様、ロシア文学のロングセラーとなりうるはずである。 (2000/11/29)
sayamiru