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著者 | 高木俊朗 |
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出版社 | 文春文庫 |
ジャンル | 文芸書 |
ISBNコード | 9784167151041 9784167151058 9784167151065 |
登録日 | 2002/07/11 |
リクエストNo. | 11125 |
リクエスト内容
おそらく映画関係者であった著者が、報道部員として取材した戦争ドキュメンタリー。
【第2巻】
特攻機の命中率は非常に悪かったのに、大本営は米艦轟沈のウソの発表をして、国民をだましつづけた。大戦果をあげたはずの特攻隊員が、後で引き返してきたり島に不時着したりすると、この“生きた軍神”を直ちに“処刑飛行”に追い出すのだった。次々と消耗品のように死地に投ぜられた若者の群像を描く。
【第3巻】
冨永軍司令官は特攻隊の出撃のたびに、自分も最後の一機で突入すると激励した。昭和20年1月9日、アメリカ軍がリンガエンに来襲するや、冨永軍司令官は特攻隊と諸部隊を置き去りにして逃走した。さらに悪らつな計画をたて、最後の一機で台湾に逃げ去ったのだ。この史上最悪の敵前逃亡事件の真相をえぐる。
投票コメント
全30件
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私は、どんな死にも「無駄な死」はないと思います。重く受け止めたいと思います。しかし、政治の動きから戦争に至る過程が、それが最善だったのか、理屈にあったことだったのか。戦争に至った段階で、構築した生産体制動員体制が合理的だったのか、戦略が良く考えられていたのか、効果と犠牲を考えて、理に適った戦術がとられたのか。将兵の戦う意思と能力を生かして戦うことができたのか。個々人にはかけがえのない命を危険に晒して他の方法より効果が上げられたのか。必ず死ぬことを求める作戦を立案して強制した参謀・指揮官・軍首脳にはこれらへの責任が問われます。自殺した大西瀧治郎中将も自殺で責任から逃げた責めを負います。自分が求めた自殺を「特攻」と称して戦果とかかわりなく終戦の詔勅に逆して操縦にあたる士官を巻き添え死させた宇垣纒中将はとんでもありません。ましてや第四航空軍司令官だった富永恭次は台湾に脱出し、1960年まで生きのびたが何をなしたか。できるだけ事実に迫り、体制・作戦指揮の問題をえぐることが今もなお大事だと思います。その教訓を現代に生かすためにも復刊を望みます。 (2017/12/09)GOOD!1
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名作かつ大衆的作品なのに,どうして手に入らないのか解らない。GOOD!1
文春が権利を買って発禁状態にしているんじゃないかとさえ思える。
文春文庫の名作ノンフィクションで手に入らないのにはこういうのが多いです。
文春にやる気がなければ他の出版社なら間違いなく出してくれると思いますが。 (2014/07/01) -
今、太平洋戦争とは何だったのかと言う思いで、色々な本を読んでおります。始まった戦争はともかくとしても、上層部がもっと真剣に、この戦争を見つめていたら、犠牲者も少なくてすんだのにと思って残念です。GOOD!1
特に特攻隊は、美化されたものではなく、真実の特攻作戦や特攻隊員たちの姿を知ることこそ、散華した方たちへの鎮魂になるものと思います。 (2009/12/31) -
昨今の世相は、戦後の民主主義が作用したかの如く弁を放つ御仁も多いが、改めて太平洋戦争を見直してみると、あまりにも現在と似ているのに驚くばかりだ。GOOD!1
上に行くほど無責任体質、末端の兵士は、良いように使われて死んでいく。現在と、どう違うのか?
一度読んだ人は、改めてじっくり読み直し、初めての人は、未知なる感動が生ずると思うので、ぜひ復刊を願う。 (2008/06/27) -
この本を読むと、あの戦争から半世紀以上を経た現在も、当時と何GOOD!1
ら変わっていないことに気付きます。
政治が最たるもので、企業などにおいてもまたしかりです。
外地から復員した兵隊に向かって、群集が「戦争に負けたのはお前
たちのせいだ!」と罵声を浴びせる記述があります。(第3巻)
何でも人の責任にしたがる傾向、最近さらに助長されてませんか?
理不尽な軍の姿勢にハラワタが煮えくりながらも、決然として死出
の旅に飛び立った岩本大尉・西尾少佐、他多くの若者たち…。
何度読み直しても、その都度新鮮な感動があります。
最近は特攻隊を顕彰する立場からの出版が目立つように感じます。
歴史を正しく見て顕彰するのなら別にどうこう思いませんが、「彼
らは立派だった=あの戦争は正しかった」という主張が見え隠れし
ているように感じる昨今です。
未来のためにも、復刻を強く望みます。 (2004/04/12)
読後レビュー
NEWS
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2002/07/11
『陸軍特別攻撃隊全3巻』(高木俊朗)の復刊リクエスト受付を開始しました。
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餡贅