復刊ドットコム相談室
あの本のタイトルが知りたい
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2000/08/23(返答 11件)
受付中
桜の樹皮で布を染める染織家
昔、中2の国語の教科書に載っていた、ある染織家のことを書いた文章の出典を
探してます。
その染織家は、冬の桜の黒っぽい幹から、ほんの少しの樹皮を分けてもらい、
布を染めるのだそうです。そしてそのごつごつした黒い樹皮から染められた布は、
目の覚めるような桜色に染まるのです。
筆者は、一見死んでいるかのような真冬の桜の黒々とした樹皮の下で、
だが確実に、春に花びらを染める紅が息づいていることに、
いたく感動してました。(かく言う私もだったりするのですが・・)(^^;
どなたかこの話のタイトルもしくは作者、それかこの染織家の名前、
ご存知ではないでしょうか?教科書に載る話としては有名だとは思うのですが・・。
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回答
No.1Re: 桜の樹皮で布を染める染織家
それはたしか、「志村ふくみ」という染色家の話だったと思います。
本のタイトルは思い出せないのですが、わりと普通に教科書に載ってる有名な話なので、
きっとどなたかご存じでしょう。
2000/08/24
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回答
No.2Re: 桜の樹皮で布を染める染織家
きららさん、ちんじゅうさん、こんちわです。
「志村ふくみ」という、ちんじゅうさんのヒントを見てちょっと調べました。
著者は「大岡信」さんで文章のタイトルは「言葉の力」です。
志村ふくみさんとの対談を思い出して、大岡信さんが書いた文章です。
国語の教科書に何度も取り上げられている作品のようです。
現行は中学の光村図書版「国語 2」
(http://www.mitsumura-tosho.co.jp/kokugo/top.html)
他に高校の明治書院版「精選新国語I」などに収録されているようです。
国語の先生の教育研究などでも取り上げられる作品のようで、
下記のwebではきららさんがお尋ねの部分の引用がされています。
http://ha7.seikyou.ne.jp/home/namingt/education.htm
で、現在教科書以外で、読める書籍があるのかどうか調べてみましたが
力不足で分かりませんでした。ただ書籍ではなく教育書の出版社である
明治図書から「言葉の力」が収録されたCD-ROMが発売されていることが
わかりました。
明治図書のトップページ
http://www.meijitosho.co.jp/index.htm
上から「学習ソフト」>「CD-ROM版 明治図書文庫」>「教科書作品作家作品集」
とリンクをたどってみて下さい。でわでわ。
2000/08/25
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回答
No.3見つかりました!
ちんじゅうさん、naoxさん、こんばんは。
情報提供どうもありがとうございました。
おかげで探していた本が見つかりました。
詳細は以下の通りです。
大岡 信 著(オオオカ マコト) 4-6版 214頁 本体価格(税別):\1,650
ことばの力〔新版〕(コトバノチカラ) C-CODE 0095 1989年
ISBN 4-7602-1008-3 花神社
ただ、紀伊国屋のBookWebで検索してみたところ、在庫が僅少だそうで、
しかも文庫とかにはなっていないみたいで、1650円もするのです。
ので、図書館で探してみようと思います。
検索してみたところ、取り寄せにはなりますが、本自体は存在するようですし!
本当にありがとうございました!
2000/08/25
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回答
No.4補足などすこし。
大岡信「言葉の力」は
元々、1977年愛知県で行った講演の速記に加筆したもので
初出は雑誌「世界」で、1978年1月号に掲載。
後に「ことばの力」として1987年花神社から上梓した単行本に収録。
現在では世界文化社から1996年に出版された「ぐびじん草」にも
収録されています。
市立クラスの図書館なら大概おいていると思います。
新しい分だけ「ぐびじん草」の方が入手しやすいかもしれませんね。
ぜひ探して読んでみてくださいませ。
教科書に載った文章としては大変印象的で
「この風景を君にあげよう」というフレーズで記憶している人も多いのでは。
蛇足ですが 染め物の話では
梨木香歩「からくりからくさ」(新潮社,1999)を連想しました。
もし気が向かれましたらそちらもどうぞ♪
2000/08/26
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回答
No.5お、はるるさん、こんにちわ
きららさん、ちんじゅうさん、探偵さんのはるるさん、こんちわ。
うむうむちゃんと本として存在していたのですね。よかったよかった。
世界文化社さんの「ぐびじん草」\1942と値段も手頃そうなので勤務
している書店で一冊仕入れてみようと思います。ちょっと読んでみよ。
今回の探索で「染織家文芸ライン」という流れが新たに認識できて
ちょっとうれしい、naoxでした。
梨木さんて「西の魔女が死んだ」の人でしたっけ。「染織家…」系
だったのですか。ふむふむ。
2000/08/26
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回答
No.6何から何までご丁寧に・・(感涙)
ちんじゅうさん、naoxさん、そしてはるるさん、こんにちは。
はるるさんには、芥川竜之介の「ピアノ」の件でも
以前もお世話になりましたね。
わざわざ補足説明から関連書籍等まで紹介していただいて、
感謝感激雨あられ・・(古いって)
何から何まで、ホントにご丁寧に・・(感涙)
さっそく図書館で、
花神社の「ことばの力」、世界文化社の「ぐびじん草」、そして時間があったら
昔取った杵柄(いや、単に卒論の資料集めのノウハウことです)って感じで
初出の雑誌「世界」1978年1月号も探してみようと思います。
あの雑誌専門の図書館にも、もう一回いってみてもいいかなあ。(時間あるのか?)
ちんじゅうさんが教えてくれた「志村ふくみ」さんも
たくさんの著書を出しているようですし、
はるるさんの教えてくれた、梨木香歩さんの「からくりからくさ」(新潮社,1999)も
探して読んでみたいと思います!
嗚呼、こうして買ったまま読んでいない新刊文庫が
また次から次へと積まれてゆくのね。
手元にあるとどうしても後手後手になってしまうですう・・。
ちなみに、はるるさんって探偵さんなのですか?
2000/08/26
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回答
No.7又お会いしましたね(笑)>naoxさん
きららさん、ちんじゅうさん、そしてnaoxさんこんにちは
最初きららさんのWANTEDを見たときは、自分も読んだ文章だなんて
実はちっとも気づきませんでした(笑)
ちんじゅうさんのレス、naoxさんのレスで
だんだん「お?」と思って探してみたら
「これかー」という感じで記憶が蘇ってきました。
なんというか「三人寄れば」を地でいくカンジですね。
naoxさんは本屋さんでしたか!
ひそかに書誌検索の師と仰がせて頂いてます。
当方は一応図書館屋のはしくれ。スキルを磨かねばなりませんね。
探偵でははありません(笑)>きららさん (単に某探偵のファンなのです)
「ぐびじん草」は、どうやら世界文化社が出している
大岡信の一連の著作集(随筆の再録集?)の一冊のようで。
他に「しのび草」(1996)「しのび草」(1996)「みち草」(1997)
「ことのは草」(1998)なんかが出ているみたいです。
いずれも出典が明記されていて、作りが親切。題も風流ですね。
(余談ですが、教科書にのせる作品は、出典を明らかにして欲しい。
書き下ろしなのか抜粋なのかよくわからなくて、探しにくいと思うなぁ)
> はるるさんの教えてくれた、梨木香歩さんの「からくりからくさ」(新潮社,1999)も
> 探して読んでみたいと思います!
そうそう、梨木香歩さんは「西の魔女が死んだ」の梨木さんです。
「からくりからくさ」は一般書ですが、実はその数ヶ月後に出版された
「りかさん」(偕成社,1999)という児童書とリンクしています。
主人公ようこ(「からくり~」では蓉子)の祖母が、染め物をやっていて
作中に桜の枝を使って縮緬を染めるシーンがあり、その様子は大変印象的です。
子供の本として扱われていますが、作品としてはこちらの方が好きなので(私情)
本当はこちらをお薦めしたい。
きららさん、機会がありましたらぜひ「りかさん」も読んでみてくださいね(笑)
2000/08/27
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回答
No.8Re: 又お会いしましたね(笑)>naoxさん
はるるさん> naoxさんは本屋さんでしたか!
はるるさん> ひそかに書誌検索の師と仰がせて頂いてます。
はるるさん> 当方は一応図書館屋のはしくれ。スキルを磨かねばなりませんね。
ひー、「師」だなんて、とんでもないっす。内容ちゃんと知ってて
探書のレスポンスつけてるのがいいんでしょうが、私は上っ面や
webでの検索だけでやっちゃってるんで、なんだか申し訳ないです。
2000/08/28
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回答
No.9Re: 桜の樹皮で布を染める染織家
> その染織家は、冬の桜の黒っぽい幹から、ほんの少しの樹皮を分けてもらい、
> 布を染めるのだそうです。そしてそのごつごつした黒い樹皮から染められた布は、
> 目の覚めるような桜色に染まるのです。
> 筆者は、一見死んでいるかのような真冬の桜の黒々とした樹皮の下で、
> だが確実に、春に花びらを染める紅が息づいていることに、
> いたく感動してました。(かく言う私もだったりするのですが・・)(^^;
> どなたかこの話のタイトルもしくは作者、それかこの染織家の名前、
> ご存知ではないでしょうか?教科書に載る話としては有名だとは思うのですが・・。
違うかもしれませんが、桜などを使って染色される方で、志村ふくみさんという方は
有名です。随筆も書いてらっしゃいます。
「一色一生」などの著作があります。
2000/08/29
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回答
No.10RE:いまさらですが
探されていたのは、もう、だいぶん前のお話のようですので・・・
引用元は、志村ふくみさんの著書です。
引用されたのは大岡信氏で、私も学生時代にその教科書を使用し、ひどく感銘を受けております。
志村さんは染織家にして人間国宝であり、その著作も達人の文章ですのでぜひ
元のものをお読み下さい。筑摩書房から、「色を奏でる」として文庫で再刊されました。
2001/01/19
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回答
No.11回答
題名は「言葉の力」です。
作者は大岡信さんで、染織家は志村ふくみさんです。
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