物語を読む楽しさを教えてくれた本

凄く個人的に大切な本です。この本を読んで、物語というものの面白さに目覚めました。その後、色々な本を読むようになりましたが、この本を読んでなかったらそんなに読んでいたかどうか。

最初の版は悲しいことに、ある事故で失くしてしまいました。その後、講談社の青い鳥文庫で出ていることを知って、本屋に駆け込みました。書店の棚で見つけた時は胸が詰まる思いでした。もちろん購入して今も手元にあります。今でも、登場人物たちの会話や、物語を色鮮やかに思い出せます。

この度、最初の版に近い形での復刊がされるとのこと。再び多くの人に、一人の少女に起きた、エプロンのポケットから始まる小さな小さな奇跡の物語が読まれることを嬉しく思います。

凡庸

ファンならば買うべき。復刊ドットコムを見るくらいの人はそうすると思いますが。
「たとえ火の中」が好きな私の視点では、連載では作者の良さが活きにくいのかな、という感想でした。
最後に収録されている短編は、なかなか良かったです。

全巻揃いました

コデックス装豪華愛蔵版【Ultimate Edition】雑誌サイズのB5判はやはりスケールが違います。全体が見通せて、紙の色質も細かい線までクッキリ見えて感動です。初出も含め内容は言うまでもなく傑作揃いでしたが、豪華な装幀、飽きのこないデザイン、サイズ、重量感、その素晴らしさが手に取ると実感として伝わってきます。コデックス装の宿命でしょうか、背部が完成半ばに見えなくもないですが、ひとつのデザインとして見れば申し分ないです。

気になります

名著を新刊で読みたい

メタデザインとはすなわち世界デザイン

デザイナー宮武一貴さんの言葉だったか。
数々関わったアニメの、ビジュアル面での世界を設定しているのは、山根さんだったんだな、というのがよく分かる。
戦闘機やロボットなどの主役から、手にした拳銃まであらゆるものをてがけてらしたんだな、というのがまざまざと実感させられる。

あとキングゲイナーで監督をされたトミノ御大からのお褒めの言葉が、読者の身で有りながら感動した。これを読むだけでも買った価値はある。

今の人にも

芦名野ひとしさんの名作「ヨコハマ買い出し紀行」の画集再販嬉しくおもいます。作品の内容は言わずもがなですが、本誌連載時のカラータイトル、原稿、単行本表紙からカレンダー、果ては仲間内で作られたヨコハマの同人誌表紙まで網羅した素晴らしい画集です。デジタル彩色導入前の、色鉛筆と水彩で着色された原稿が作品の世界観を表しているような心地良さがあります。先着特典の複製原画もチョイスが良く、好きな額に入れて飾るのをお薦めします。改めて買う人も初めて買う人も満足出来る画集となっています。

当時の空気そのまま

人類の黄昏を描いた、ゆっくりゆっくり地球環境が変わりゆく世界。
そのカラー原稿が、たぶんきっと昔のままの印刷で復刊させている。
有り難く買わせていただいた。

追伸

あと、ミッキーの声が宇宙戦艦ヤマトの古代進役の富山敬さんだったと思います。

買って満足。

以前からつげ義春作品集を読んでみたいと思ってはいたが、今回こだわりの2色刷りで復刻というので買ってみました。
血の色が赤になっていて嬉しい。
内容も「ねじ式」だけは知ってたが、他の短編も味があり、楽しめた。これからも何度も読み返すことになりそう。
画力が高く、水木しげるのアシスタントをしていたそうで、背景の書き込みが素晴らしい。絵もじっくり見てかみしめたい。

新装版 銀河鉄道999 アンドロメダ編 10

映画とは異なった本作品の最終回は少し書き急いだ感がある。松本先生にはもっとじっくり描いて欲しかった。
本作を含む異なった展開の４つの最終話にはそれぞれの提供者によるそれなりの意味があるのだとは思いますが……。

新装版 銀河鉄道999 アンドロメダ編 9

前巻で小さくなった二人が急に元に戻った。
時空間を超えたメーテルの旅は輪廻転生の物語でもある。
最終巻に近づき松本先生の描く999の主題がみえてきた。

新装版 銀河鉄道999 アンドロメダ編 8

怪鳥ロックの登場により“トリさん”キャラクター全開だ。
でも、この大きさだとハーロックの肩にはとまれないよね。盗賊との戦いの中で、正に千夜一夜、夢の如くですね。

新装版 銀河鉄道999 アンドロメダ編 7

もの悲しいレリューズのギターの調べ、そして時間城での戦い……。
松本ワールド全開だ。

＜完全版＞ 新・幻魔大戦 COMIC＆NOVEL 上

石森先生と平井先生が合体して描かれた最後の幻魔ワールド。その後、二人は別々な幻魔大戦を模索していくけど、全て未完のままだ。
二人ともいない現在、時空を超えた作品はもう出てこない。

銀河鉄道999 エターナル編 愛蔵版 3

松本ワールド全開だ。
ついに、ハーロック、トチロー、エメラルダスそしてヤマトが999を中心として時空間を超えて一同に介した。

不動明王とは何者か

不動明王とは何者か。著者はインド文化に即しながら論じています。
その過程で日本文化に根付いた不動信仰、真言密教の豊穣さが余す所なく理解できるはずです。

下巻は出たのかな？

上巻も買えなかった（泣）欲しい

弥勒の浄土から弥陀の浄土へ

日本で「浄土」といえば阿弥陀如来の西方浄土を思い浮かべる方がほとんどだろう。しかしかつては弥勒菩薩の上生・下生思想（釈迦入滅後、56億7千万年後に弥勒が下天する）から生まれた弥勒の浄土信仰が存在した。
本書ではインドで発生し中国・朝鮮から日本に弥勒信仰が伝わったか、いかなる変遷を経て、法然・親鸞の阿弥陀信仰に取って代わられたかが手堅くまとめられている。
現代の信仰についてはまとめられていないが、その点は著者も述べるように宮田登著『ミロク信仰の研究』などでカバーできる。
厭離穢土（現世否定）とは異なる現世肯定を説いた弥勒信仰の魅力を堪能してほしい。

良心と権力

昨年（2023年）は10年に一度あるいは100年の一度の不祥事が次々と明らかになりました。
このような企業の不祥事が起こる度、成員の知識や権限が問題にされます。いわく「マニュアルが徹底されていなかった」「監査部門の機能していなかった」などです。そして「コンプライアンス教育を徹底する」「監査部門を強化する」など対策が行われます。しかしそのようなことで防止はできるのか。

そしてニーバーは個人は自分と同じように相手を理解できないし配慮もできない。また組織の強制力（権力）は個人の良心を容易く凌駕する。さらに指導者の良心が成員に暴力的に働くことがあると明らかにします。
ニーバーの分析に容赦はありません。しかし改善する努力そのものは評価しています。
ニーバーが1960年の序文でいうように本作には古くなった部分が多々あります。しかしその分析は古びておらず、もしかしたら個人と社会の相剋はいっそう強くなっているかもしれません。いま一度ニーバーの言葉に耳を傾けましょう。

スクール水着フェチへの目覚め

幼かったカメさんは「家にある漫画」を喜び勇んで読みあさっている時期だった。
特に隠されていはなかったと思うが、この本のオリジナルがその中にあった。
水底、がそのタイトルだ。
川の冷たさ。
スク水少女の肌のあたたかさ。
五感にうったえてきて、それ以来すっかりとその筋のフェチになってしまった。
いつの間にか処分されていて、今回ようやく会えたね。
そんな。