「何」が正義の本当の課題とみなされ、「誰」が正義の本当の主体とみなされるのか。本書は正義の秤＝尺度をめぐる諸難題をえぐり出し、批判理論化のもとで統合する。

国家が国民の移動手段を合法的かつ独占的に掌握するのに決定的な役割を果たしたのがパスポートであった。その国際的なシステムの確立過程と現代的な意味を問う。

戦時下の掠奪が合法とされていた中・近世ヨーロッパ世界をその法観念から浮き彫りにし、さらに掠奪を非合法化する近代世界の誕生を描き出す。

死刑廃止を初めて明確に提唱した近代刑法革命の金字塔を、ベッカリーア自身が手掛けた決定版にもとづき刊行する。充実した解説・訳注・年譜付。

中江兆民を中心に、福沢諭吉、陸羯南などの思想的営為に含まれる意味を考察し、近代日本思想の原点に迫る。

核兵器の拡散は「良いこと」なのか？ 「悪いこと」なのか？ 二大巨頭が理論と事例をめぐって激突。論争の火蓋が切って落とされる！

パレスチナとイスラエルの音楽家を招き、ともに学んだワークショップの話など、境界をまたいで移動しつづけた二人が、音楽と文学と社会を語り尽くす。

夢やファンタズマゴリーを描きつづけるとともに、自然のヴィジョンに決してたじろがなかったルドン。画家の内面が率直に語られる稀有な芸術論。

戦後を代表する写真家による初のエッセイ集。自叙伝をはじめ、写真家として核となる思考の流れをたどる。代表的な写真45点を収録した決定版！

フランス文を読み解く上で必須の構文を基礎編で細目にわたって整理し、応用編でボードレール、プルースト、サルトル等の原文を詳細な注で味わう。

〈教育〉（ペダゴジー）というものの存在と営みを社会学的に解き明かし、明らかに行き詰まっている現代教育を分析し展望するための理論用具と着想とを明確に提示。

アセスメントから治療計画、活性化技法の適用法まで、セラピストがうつ病に対して行動活性化を実施するための方法を詳しく解説。

PTSDとトラウマに関わる当事者・治療者にとって必須の理論と治療実践のノウハウを網羅・凝縮した必携コンパクトガイド。

心理療法作業に大きな影響を与えるパーソナリティの査定や把握はどのように行うべきか。精神分析的な診断概念の基本を提示。

6歳以上の子どもからの内的要求を教師が理解するための手引書。モンテッソーリ教育のエッセンスがわかりやすく書かれた晩年の著作。

Google、amazon、Facebookの創設者や藤井聡太が受けていたことで注目を集めるモンテッソーリ教育の入門書にして決定版。

日本列島に生きた人びとの生活を、前近代の三大衣料原料であった〈三本の糸〉を手繰りながら織り出す。歴史学の巨星、最後の著作。

飢饉発生の経緯やメカニズムを探り、民衆の生き残りをかけた行動を描き出す。食料を輸入に依存する現代日本に警鐘を鳴らす。

ドイツの一般大衆は当時、ナチ恐怖支配についてどこまで知っていたのか。実権力掌握から1945年の敗戦までの「同意と強制」の真相を明らかにする。

ヨーロッパ近代ナショナリズムの元となる国家の「民族的起源」とは何か？ 古代末期から中世末期までさかのぼり、「神話」の実像を明らかにする。