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レビュー
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日本教の社会学
小室直樹の学問
小室の学問とは、多岐に及ぶが一つだけエッセンスをあげよと言われれば、それは資本主義や民主主義とは何なのか?ということである。民主主義や資本主義が素晴らしい、素晴らしいからそれを守りましょうなどというわけではなく。そもそも現代のシステムの基礎となっている民主主義や資本主義というものの論理を知らなければ、それを使いこなすことが出来ない。
民主主義や資本主義というものに批判は昔からある。共産主義と言うものが力を持って世界的に広がったのも、その批判が力を持ったからに他ならない。が、しかしその失敗を見てわかるように、改革をするのにはその民主主義や資本主義というもの・システムを正確に知らなければ制度を改革するのも、全く新しいシステムを創り出して行くことも出来ない。まず現代の社会の基本的なロジックを正確に抑えなくては、社会を変えることも良くすることも何も出来ないわけである。
小室の学問は優れた現状認識・現状分析にある。であるが故にその価値は未だに廃れてしまうことがない。継承するにせよ、批判するにせよ、その論理はどこでも使える。是非一読されたし。
対談本という性質上読みにくさもあり、小室直樹の本は多数あり、読みやすいものは多いので他に読みやすいものから読むことが良いかもしれない。読みにくければ無理せず読みやすいものから手を付けることをオススメする。(2017/03/02)
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