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レビュー
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愛の笛
素朴な木の笛を手にした青年は
優しさ溢れる美しい絵本。「愛の笛」は、愛を伝えられず、自暴自棄になり旅に出た若者が、不思議な矢に導かれて、この世に存在するあらゆる命の恩恵を受けて作られた木の笛に出会い、その笛を吹いた青年は、心を寄せる女性に思いを伝えることができたという心温まる愛の物語。読み進んでいくうちに、苦悩する若者が、旅の中で、笛を手に取り、鳥や動物達に励まされ、鳥や動物達の鳴き方を真似して、木の笛を吹いていくうちに、いつのまにか、一つの歌となって流れ始める。笛を吹きながら、次第に心が解き放たれていく過程を自分と重ねながら味わうことができた。また、多くの若者の笛の音の中から、若者の愛の調べを聞き分ける「女性の耳」。愛がこのようにして伝わるのだいうストーリーをとても暖かな気持ちで読むことができた。賞を取られたポール ゴーブル氏の美しい絵と、彼の文章を北山耕平氏が的確に翻訳されていて、その2つが合わさって、この絵本を素晴らしいものにしている。ネイティブアメリカンの人達が木や草花、鳥や動物、太陽、水、月、星、大地を愛し尊敬して生きているという世界観も改めて感じることができた。大人も子どもも沢山の人に是非読んでもらいたい本。(2018/07/20)
復刊リクエスト投票
愛の笛
【著者】ポール・ゴーブル 文・絵 / 北山耕平 訳
すべてのひとに石がひつよう
【著者】バード・ベイラー 著 / ピーター・パーナル 画 / 北山耕平 訳
貴重な書籍なので是非復刊してもらいたいと願っています。一つの石を巡る人生の知恵を伝える内容です。機械化された日本人の生活に、文字通り一石を投じる本として、復刊願います。
心のよりどころを再び見出すためにも是非必要かと思います。また、多くの方に読んでいただきたいと考えます。(2006/05/03)