ヨットと出会うことは、海とともに人生を生きることだといわれる。心に海を求めた人々の知恵の集積が、歴史の潮風に磨かれて、信頼度の高い優美な姿に結晶した乗りもの、それがヨットである。海への高貴な夢をうけつぎ、現代のヨットは、現代人が心を自然に託す分身たちであり、その多彩さは、人々が海にかける夢のいろどりの豊かさなのだ。

海洋誌「オーシャン・プレス」の記者時代に、日本人女性としてはじめてのヨットによる太平洋横断の単独帆走に成功し、現在は海洋ジャーナリストとして活躍している著者によるヨット案内。さまざまな型のヨットについて詳しく解説するほか、船に魅せられた人々の心理についての優れた論考ともなっている。加藤敏、志賀仁郎、添畑薫、中島房徳、長谷川周、山田啓、山田健三、和田博の諸氏が担当した美しい写真も多数収録されている。平凡社カラー新書94として1978年出版。144頁、定価は550円。

登録者の評価★★★★★★★★★★

【目次】

◇カラー版8頁：空と海のあいだで

■ヨットの魅力
自然の中の自由と開放感と　海の魅力にひかれるとき　帆走そのものの楽しみを追って　航海する喜びの分野

◇カラー版32頁：ヨットさまざま

■外形からみたヨットの種類
帆の形のいろいろ　セールの使われ方（リグ）のいろいろ　船型による種類

■目的と性格からみた種類
ディンギーの種類　クルーザーの種類

◇カラー版24頁：世界のヨット・レース　世界の有名艇　豪華ヨットの船内設備

■ヨットの歴史
オランダに発展した小帆船　「ヨット」テームズを走る

■ヨットの楽しみ
ゼロ歳からのヨットライフ　レーシングの世界　楽しみは乗り手がつくるもの

■コラム：海にロマンを求めた人々　世界の大レース