6 票
著者 | ジェリイ・ソール |
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出版社 | 早川書房 |
ジャンル | 文芸書 |
登録日 | 2004/05/25 |
リクエストNo. | 24289 |
リクエスト内容
バージン・バース(処女生殖)をテーマとした作品で、このてのものとしては、かなりの成功を収めたらしい。
事の起りは、ユニオン・シティ病院に運びこまれてきた、一人の精神異常の老人だった。老人は一種の癌様の病気にかかっていた。皮膚は灰色に変色し、ところどころに紫斑の腫瘍があらわれて見た目にももう長くはない重症だった。だがそれだけならこの事件も奇病の一種として忘れられたかもしれない。たまたま同じ病院に入院していたスター新聞の記者トラビスが、この老人を訪れて毒殺しようとした金髪の美女を妨げたことから、事件は果然なぞめいてくる。事件に職業的好奇心を燃やしたトラビスは老人と女との関係を掘りさげようとするが……そのとき突然、市内に、老人と全く同じ症状の患者が続出しはじめるのだ。しかも奇妙なことに、患者はすべて男ばかり、女は一人としてこの伝染病らしいものにはかからない。トラビス記者はやがてこの病気が、時を同じくして市中のテレビ・ラジオの電波を妨害している高出力の謎の放射線と関係があるのを知るのだが……そのとき、すでに、市に潜伏していたおそるべき秘密組織は、抵抗するすべを持たない人々の生命を狙って動きはじめていた!
※医学テーマSFを書いては第一人者といわれるジェリイ・ソールが半数染色体と処女生殖という古典的アイデアを生かして評判をよんだ輝ける処女作!
ところで、ジェリイ・ソールという作家は、超人気SFテレビドラマシリーズ『スタートレック』(1966~69年)の脚本を手がけたり、1965年には、東宝が制作した怪獣映画『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』のために、生物学的なテクニックを指導するサイエンス・ディレクターとして来日したり等、多彩な経歴を持つ人であり、SFづくりの才腕は、文字どおり折り紙付きです。
投票コメント
全6件
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私の大好きなSF作家のひとりです。21世紀に復活する価値は十分にあると思います。ぜひとも復刊を。GOOD!1
なお、この『半数染色体』という作品は、『合成人間「22X」』という題名で、少年少女向けに抄訳され、「国土社」から出版されています。抄訳だけど、大人が読んでも面白いです。小学校高学年以上の子供のおられるご家庭は、ぜひ、子供さんに薦められてはいかがでしょうか。 (2004/05/25) -
小学生の時に抄訳版を読んだのですが、とても面白かったです。この本で染色体について知りました。今は抄訳版もこの早川書房版も古本でしか入手できないようなので、復刊が叶うと嬉しいです。 (2014/01/28)GOOD!0
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アイデアが冴えている、この著者のベスト長編です。 (2008/11/23)GOOD!0
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最近古書店でも見かけなくなったので。 (2005/08/28)GOOD!0
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あらすじを知って、読んでみたくなりました♪ (2004/05/29)GOOD!0
読後レビュー
NEWS
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2004/05/25
『半数染色体』(ジェリイ・ソール)の復刊リクエスト受付を開始しました。
復刊実現の投票はあなたの投票から。
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ピークォド号