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岡本綺堂探偵小説全集 第二巻 大正五年~昭和二年

岡本綺堂 著 / 末國善己 編

岡本綺堂探偵小説全集 第二巻 大正五年~昭和二年

7,480円(税込)

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著者 岡本綺堂 著 / 末國善己 編
出版社 作品社
判型 A5・上製
頁数 560 頁
ジャンル 文芸書
ISBNコード 9784861823848

商品内容

岡本綺堂が明治36年から昭和2年にかけて発表したミステリー小説23作品、3,000枚超を全2巻に大集成! 23作品中18作品までが単行本初収録! 日本探偵小説史を再構築する、画期的全集!

▼内容
「黒沢家の秘密」「幽霊旅館(ホテル)」「海賊船」「うす雪」「吉祥草」「眼科病院」「埋れ木」「蛇人」「林檎の秘密」「稲城家の怪事」 +編者解説

▼編者の言葉
岡本綺堂の『半七捕物帳』は、時代小説と探偵小説を融合した捕物帳というジャンルを確立した画期的な作品である。しかし『半七捕物帳』の存在があまりに大きかったため、綺堂が明治末から大正半ばにかけて発表した翻案・創作探偵小説は、すっかり忘れ去られてしまった。
だが、綺堂の探偵小説はそれほど悪い作品なのか。
英語に堪能だった綺堂が、丸善で洋書を買いあさった逸話は有名である。この経験が『半七捕物帳』の誕生に繋がるのだが、綺堂はそれ以前に、『幽霊の旅』、『黒澤家の秘密』などの探偵小説の翻案を手掛けている。綺堂が、洋書コレクションのなかから、どのような作品をセレクトしたかを知ることは、『半七捕物帳』が生み出されるまでのプロセスを考えるうえでも重要になるのだ。
それだけでなく、綺堂が探偵小説を精力的に発表したのは、明治中期に巻き起こった黒岩涙香の翻案探偵小説ブームが一段落した探偵ものの停滞期と重なるので、探偵小説史の空白を埋めることも期待できるのである。
また綺堂は、翻案探偵小説と並行して、新聞と婦人雑誌に『風の夜』、『埋れ木』といった探偵小説的な趣向を導入した家庭小説も発表している。菊地幽芳『己が罪』や『乳姉妹』を持ち出すまでもなく、明治の家庭小説は探偵小説風の作品も少なくない。幽芳の頃から始まった手法が、綺堂を経て、菊池寛『真珠夫人』などに受け継がれたとするなら、綺堂の作品は、女性読者向けの風俗小説史の再検討までをうながすことになるのである。
ただ、こうした探偵小説風の風俗小説を中心に活動したことが災いして、綺堂の作品は探偵小説史から黙殺されていったのだろう。確かに綺堂の探偵小説は、現代の目から見ればアンフェアな要素も多い。しかし、綺堂が新聞、雑誌に途切れることなく探偵小説を発表していたのは、当時の読者に歓迎されたからにほかならない。そうであるなら、綺堂の探偵小説は、一般読者がどのような探偵小説を求めていたかを教えてくれることになる。
これは、今までマニアが書き継いできた探偵小説史を相対化し、より大衆の意識を反映した新たな探偵小説史を構築する契機になる可能性さえ秘めているのだ。
その意味で、単行本未収録の18篇を含む全23篇を復刻する『岡本綺堂探偵小説全集』は、純粋に綺堂の“幻の作品”を読みたいファンも、探偵小説や日本文学を研究する専門家も、満足できるのではないだろうか。

『岡本綺堂探偵小説全集 第一巻 明治三十六年~大正四年』はコチラ

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