読後レビュー
全1件
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古事記や日本神話等歴史モノを題材に作者独自の見解が秀逸の作品集です。
「月読み」
馴染み深い天照大御神と2人の弟3人の織りなす愛憎劇、、
山岸氏の代表作で聖徳太子がホモで目的の為に手段を選ば
ない~そうとうな斜め設定で驚いたけれど、この作品は、
神が!とうとう神までを~山岸氏じゃなきゃここまで描け
ないでしょう、という秀作です。
「肥長比売」
愛した男に裏切られ復讐する純粋女性の話。以前に憧れていて
死んだ男を美化して現実の男に夢見過ぎた為の悲劇のようだけ
ど、、どうせ道連れにするんなら男の方じゃね?と思ったので
すが、それでも男を愛していたのかな?
「天沼矛」3つの桜の話
蛇神様の話・・・お互いいじらしい
主人公結婚するのだが・・・母は丑の刻参りをしていた
人里離れた病院に入院・・・少年が少年に出会う
「黄泉比良坂」
死後の世界が山岸氏の独特の視点で描かれています。
現世に恨みつらみを遺して死んだらこう無限ループで
苦しんだりするのかも、、ぞっとします。
「海底より」
一時期人気のあったアイドル歌手がほぼ視力をなくし
親類にやっかいになるのですが、、彼女の負の情念が平家の
亡霊と呼応します。
「夜叉御膳」
人里離れた陰鬱な家に引っ越してきた一家の恐怖体験。
最初は家に棲む悪霊がいるのかと思って読み進めて行くと、
どんどん事実が明らかになるのですが、、その事実は悪霊の方
が100倍はましで、、
「海の魚鱗宮」
娘を連れて滅多に帰らなかった海辺の実家に帰省します。
少女の頃の記憶が曖昧で、自分がとんでもない事をしでかし
たのではないかと、、実は今でこそ多い犯罪ですが、この
作品30年前~今程目立ってない犯罪だったのでは、、
「神かくし」
表題にもなっています。ある日突然いなくなってしまった弟は
神かくしにあったとされていたのですが、、現代の私を育てて
くれた優しい母は誘拐犯だったという有名な話とちょっとだけ
似ています。現代のものも面白いけど、山岸氏の作品の方が
動機もリアルだし、猫の子育てを見て弟が涙するシーン、
泣けます。。エンディングもとても好きです。
「神かくし:2」
表題の神かくし、とは全く違う現代設定です。
山岸氏のシニカルな教訓かな? (2015/04/14)
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ゆめちゃん