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確実性の終焉−時間と量子論、二つのパラドクスの解決−

イリヤ・プリゴジン

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確実性の終焉――時間と量子論、二つのパラドクスの解決
著者 イリヤ・プリゴジン
出版社 みすず書房
判型 A5判
頁数 216 頁
ジャンル 専門書

商品内容

[訳者] 安孫子誠也 [訳者] 谷口佳津宏

時間こそは我々の存在の根本的な次元であるのに、奇妙なことにニュートンによって定式化された自然の基本法則は、「時間の矢」を否定するものであった。それが記述するのは、未来も過去も同じ役割を演じる、時間の欠如した決定論的な宇宙である。今世紀における物理学上の2つの革命、量子力学と相対性理論も、この状況を変えることはなかった。

しかし今や我々は、残された課題である時間と量子論、2つのパラドクスの解決という根本的変化を目撃しつつある。プリゴジンの『存在から発展へ』、『混沌からの秩序』を継ぐ本書が指し示すのは、近年めざましい発展を遂げた非平衡過程の物理学と不安定系の動力学に基づいて、揺らぎやカオスを導入することによって、自然法則の新しい定式化が果たされるということである。そこでは自然の基本的レベルにおいて、時間の流れが導入され、確実性ではなく可能性が、進化発展しつつある宇宙が記述されるに至る。

我々はなぜ自然が歴史をもつかを理解しはじめた。「確実性」は終わり、現実世界の「複雑性」と取り組む21世紀の新しい科学が、ここにその姿を現し始めた。それは、自然という概念や、自然の中での人間の位置に関心をもつ全ての人々にとって、画期的な事態に違いない。

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