山形県置賜郡高畠町に、浜田広介記念館があります。「なめとこ山のくま」
「むく鳥のゆめ」「泣いた赤鬼」などの童話で名高い浜田広介の生前の業績
を讃え、記憶に残すために、彼の故郷に建てられた場所です。実は、ブッキ
ングは、ここに「ひろずけ童話全集」(全7巻)を何と1000セットも納品さ
せていただくことになったのです。
http://www.town.takahata.yamagata.jp/
日販の営業に大野常務という方がいます。この方は、私が新入社員の時の
直属の課長で、人情に厚くて有名な方です。この方の故郷が、この高畠町
でした。実は記念館は、来年三月に向けて、150人収容のホールを隣接で
増築するなど、大リニューアルの工事の真っ最中です。しかしリニューアル
に際して、ハードだけでなく、ソフト面でも充実が欲しいとの発想で、では絶
版になった「ひろずけ童話全集」(集英社刊)を復刊しようという話になりまし
た。そこで高畠町→地元の小林書店→大野常務→ブッキングという順序で
相談となりました。
われわれとしても願ってもない話だったので、さっそく集英社さんを竹林が
訪問し、集英社さんの協力を要請いたしました。集英社さんも協力を快諾
して下さり、著作権継承者の浜田家をあたって下さったり、印刷会社の版
下の保管を調査して下さいました。しかし・・・・、版下は処分されたとのこと
でした。もうダメかと思われたその時、諦めなかった竹林は共同印刷さん
の倉庫を調査に行き、そのめざす版下を発見いたしました。これで復刊の
線が再び繋がりました。
いよいよ納品の日、朝8時に上野を出て、午前10時過ぎに竹林の先導で、
現地に入りました。雪が、パラつく北国の寒さは、東京より5〜10度は気温
が低い模様。記念館は意外と近代的で洒落た内装です。広介生家と彼の
作品をビデオや紙芝居で読み聞かせするコーナー、生前の作家の持ち物
や書簡の展示が行われています。彼は生前に実業の日本社に勤めていた
なんて、全く知りませんでした。赤字に喘ぐ地方自治体の諸設備を横に、こ
こは年間3万人の来場で、ちゃんと黒字経営とのことです。
さて、当日は入荷をお手伝いする予定が、輸送トラックが早く来すぎていて、
納品は既に完了して、ややバツの悪い思いをいたしました。町役場の課長
さんのの差配で、入荷は無事に完了しておりました。とりあえず納品の確認
後に、先ずは館長と面談。浜田広介の生前の生い立ちなどをうかがいます。
浜田広介は、ご両親の離婚で生別した母親を恋う気持ちが、その代表作
「むく鳥のゆめ」などに色濃く反映していると聞き、思わず心が動かされます。
その後、町役場に行き、教育長と面会。納品書の内容とプレスリリースの内
容をご確認頂きました。今回、納品した1000セットを町内家庭や職域に3年
がかりで売り込むとのこと。ブッキングも時事通信以外の広報、復刊ドットコ
ムで販売紹介など協力を申し出させて頂きました。そして、今回の件の口利
きをして下さった日販帳合の小林書店の社長夫婦にも会いに行きました。お
礼を伝えるとともに、温厚で78歳にしてエネルギッシュな社長の昔語りに耳を
傾けます。かつて、藤沢周平が店を訪れたこともあったそうです。同郷の大野
常務のお話も出ます。
ストーブで暖まりながら社長のお話をうかがううちに帰りの時間が迫ってきまし
た。実は高畠駅構内には温泉があるのです。予定の山形新幹線を待つ間に
私と竹林は、湯に疲れた体を浸して、ほぉうっとため息をつきます。新幹線で
ビールを飲みながら、うつらうつらしながら上野着。本日の売り上げは、15百
万円也。しかし売上はもちろんうれしいですが、それ以上に夢のある幸せな
商いができたことが、何よりの思い出になりました。
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