2001.11.6
株式会社ブッキング 左田野 渉

復刊ドットコムご利用の皆さまへ

 復刊ドットコム、読書感想文シリーズの第3弾です。もっとも、第2弾はテレビ アニメのビデオ「未来少年コナン」を見た感想でしたから、原作の復刊本に非ずで ありまして、実際には第2作なのかもしれません。そもそも感想文は、やらせのPR ではありませんので、必ずしも、その作品を絶賛するとは限りませんから、もし ファンの方で、多少お気に障ったらゴメンなさい。それにしても前回「未来少年コ ナン」の感想を述べたら、原作「残された人びと」が、ぐわっと売れたのにはビッ クリいたしました。そんなに反応して下さって、有り難いことです。運営者冥利に 尽きます。では、今回は「牧場の少女カトリ」の読後感想文です。

「牧場の少女カトリ」アウニ・ヌオリワーラ著(いのちのことば社)
1984.3.10.初版 2001.11.1.復刊 4-264-0644-9 @1400

復刊ドットコムから生まれた、ご存知「世界名作劇場」のアニメ番組「牧場の少女 カトリ」の原作本です。

母と生別したカトリはライコラ農場で幼いながらも懸命に働きます。しかし同僚? であるリカおばさんに騙されて、クセラ邸に移るのですが、やがて明るさと勤勉さ で、クセラ邸の奥方の信認を得ることが叶います。やがて、家に帰ってこない夫と 別れた奥方の邸を引き継いだアリナ夫妻にもカトリは可愛がられます。しかし奉公 人の数が多すぎたため、少女はユントラ邸に移りますが、そこの奥方に徹底的に苛 められる目に遭うのです。自分が奥方を憎んでいることに気づいたカトリは、信仰 心と自らの感情の間に揺れ動き、苦しみます。しかしユントラ邸のお手伝い契約の 終了後、彼女はようやく辛かった生活から解放されます。住まいを変えたカトリは、 美しく成長し、ランタラ農場で優しいフィアンセに恵まれ、幸せに旅立ってゆくの でした。

児童書の範疇に入る本書ですが、装幀から美しい本なのです。物語は非常にシンプ ルなお話しですが、素朴な人々のやりとりが微笑ましい限りです。逆境の中で、ひ たすら明るく誠実に生きようとするカトリは、やや童話におけるステレオタイプの ような気がしないでもないのですが、その素直さに読む者は単純に胸を打たれます。 挿し絵の美しさと、愛らしさの中に、少女が美しく成長してゆく樣が、うかがわれ、 何だか彼女をそっと応援したくなるような気分に自然にしてくれます。流石は、い のちのことば社というところですね。

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