復刊ドットコムにご参加の皆さま
仕事柄、どうしても復刊投票上位の本を読む機会が多くなります。この半年
ほど、ずっと読み続けてきたのは、佐々木丸美先生と、小野不由美先生の作
品群です。佐々木先生は復刊ドットコムの中で得票アイテム数のおそらく第
一位でしょう。そして小野先生は、復刊投票得票の第一位ですから。どちら
も女流作家なのですが、いずれ劣らぬ興味深い作品の数々を輩出されていま
す。
佐々木先生では「雪の断章」「忘れな草」「花嫁人形」「風花の里」「崖の
館」「水にうつる館」「夢館」「沙霧秘話」「恋愛風土記」などを読んでみ
ました。、ミステリー&サイコサスペンスでいて、それでいて切ないラブス
トーリーである作品群です。いずれも作者の深い世界観と、迫るような登場
人物たちの真摯な生き方が胸に迫る作品です。一方、小野先生は「十二国記」
という壮大な連作があります。「月の影影の海」「風の海迷宮の岸」「風の
万里黎明の空」「図南の翼」「黄昏の岸暁の天」「魔性の子」と一連のファ
ンタジー作品を読み進んでゆきました。架空の十二の国々の王と王を補佐す
る麒麟という半人半獣のビルディングロマンです。
二人の作品の共通点は一つの作品がそれ自体が完結している以上に相互の作
品が連関していることです。ある作品が他の作品の伏線になっていたり、別
の作品の表裏となっていたりします。つまり作者の巨大な宇宙観という器の
中で、それぞれの作品が花咲いているのです。コミックや芸能人の本の投票
の多い(悪いとは言っていませんが)復刊ドットコムの投票の中で、むしろ
珍しい文学作品のお二人が大きな投票勢力を示しているのは、やはりこの作
家お二人のある意味で凄さだと思います。
いまだお二人の作品とも復刊ドットコムでは世に送りだすことができないで
おりますが、このお二人の作品は何とか力になりたいと願っております。片
や創作の第一線を退かれてしまった佐々木先生と、人気絶頂の小野先生では、
今は置かれた立場が全く違います。しかしこの素晴らしい双璧の女流文学作
家に絶版作品が存在するということは、まぎれもない事実です。いつの日か、
それを復刊ドットコムのサイト上で復刊実現のリリースをできること、それ
が私の一つの夢でもあります。
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