2001.5.19
株式会社ブッキング 左田野 渉

復刊ドットコムで「デファイング・グラビティ」という書籍を復刊いたします。これ まで、復刊事業には一つの鬼門がありました。それは海外著作物です。絶版 書籍のうち、日本の書籍は著者との間で出版権契約が自動継続される契約 になっています。(もっとも、契約も結んでいないケースも多いのですが・・・) これに対して、海外著作物は著者と日本の出版社の間に海外版権エージェン トが入り込んでいます。日本では、タトルモリエージェンシー、日本ユニエージェ ンシーなどが最大手の会社です。この関係の契約において、重版されない書 物は、出版契約が途切れているケースが多いのです。従って、復刊の少部数 では、たいした利益にならないので、海外版権エージェントの方々も、なかなか 相談には乗って頂けないというのが実情でした。

今回の「デファイング・グラビティ」は幸運にも恵まれました。なぜなら、この本 は、元来の定価が高かったのです。従って、エージェントが、少ない部数でも 高い収益を得られる本だったのです。もちろん本書の担当であったイングリッ シュエージェンシーのご担当の方も、親切に対応してくれたこともあります。又、 元の出版社であった翔泳社さんの出方も微妙に影響いたしました。彼らは、 自社として重版する気はありませんでした。元編集者が他社に移籍してしまっ て、その本の問い合わせ対応が難しいからでした。翔泳社さんが「やるなら貴 社の発売でやって欲しい。ただそちらが本当に復刊するのであれば、そのた めの協力は惜しまない」と、おっしゃって下さらなければ、版権エージェントに、 われわれが交渉する機会もなかったからです。加えて、移籍した編集の方、 翻訳者の方も積極的に復刊に賛意を表して下さいました。

多くの方の好意に育まれて、再び世に出た「デファイング・グラビティ」です。 単に、本書が復刊されたという以上に、この本は、海外著作物も復刊でき るんだという自信をわれわれに与えてくれた記念すべき書物と言えるでしょう。