2000.12.12
株式会社ブッキング 左田野 渉
復刊ドットコムにお越しの皆様へ

今日は、復刊ドットコムにお越しの皆さまにビッグニュースがあります。われわれは 「ダルタニャン物語」の復刊決定を、ここで皆さまに謹んで報告させて頂きます。 古書売買の世界で、伝説になっていた本がいくつかあります。その一つが「ダルタニ ャン物語」でした。愛好者たちは憧れを込めて「ダル物」と呼びます。この本は、「 モンテクリスト伯」などで親しまれたアレキサンドル・デュマの代表作です。「三銃 士」「鉄仮面」など誰もが知っている名場面を含みながら、その全貌は闇に包まれて いました。復刊の希望者も多く、何しろ大デュマの作品ゆえ著作権が問題になるはず もありません。謎でした。出版元に確認したところ、古い訳文であるため、現在の出 版では使ってはならないような用語が使用されており、出すに出せないとのことでし た。絶版になっている本には、二つのタイプがあります。一つは単純に売れなくなっ たので絶版になった本。もう一つは事情があって、絶版になった本です。「ダル物」 は、まさに後者のケースでした。
私は、「ダル物」が絶版になった事情を知った時点で、この本の復刊をどうするか悩 みました。悩んだ末に、結局、来年の二月上旬に「ダルタニャン物語」をブッキング 発売で復刊することに決めました。訳者である学習院大学名誉教授であらせられた故 ・鈴木力衛氏の著作権継承者の方が、復刊を快諾して下さったからです。もちろん翻 訳に若干の修正を加えねばなりませんし、何しろ全11巻です。ブッキングには荷が重 過ぎる仕事かなと思いましたが、社員全員で話し合って前進を決議しました。
このことは、復刊ドットコムにとって、新しいステージを意味します。これまでは元 の出版社さんからの復刊を、ひたすらお願いする範囲までの仕事でありました。しか し「ダル物」のような仕事を進めることは、われわれ自身がリスクを背負って出版権 を獲得する世界に踏み込んでゆくことを意味します。つまり出版社にもなるというこ とです。しかし、だからと言って、これまでの出版社さんと競う気もありません。例 えば、私たちが重視していることの一つにファンクラブの方との交流があります。フ ァンクラブの方々はインターネットで情報を交換しあいます。復刊のリクエストの発 信も、大概はそこからやってきます。頼る相手もいない(^^;)われわれには、良 き相談相手です。今回の復刊も銃士倶楽部の皆さんには、大変お世話になりました。 復刊企画に際しては、ファンサイトの管理人とは必ずお会いして、復刊候補本のファ ンの方々にとってのメンタルな位置付けを確認します。そして、復刊決定後には販売 方法を相談して、告知面の協力を求めます。会う都度に、復刊候補作品に寄せる皆さ んの熱意に打たれ、勇気を貰います。
今、十件近い新しい望みが成約しつつあります。この場で、お話しできないのが残念 です。しかし復刊ドットコムは、着実に前進をしています。いい情報も良くない情報 も、いずれはっきりさせます。期限のないお約束ですが、辛抱強く、当方からの便り をお待ち下さい。